七星の剣

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 某日、七星剣の首魁の元に数名の幹部が集まり会議を行っていた。
 集まり、とは言うが集まった幹部の数は少ない。基本独自に行動する者たちばかりだ。集まったのは首魁の八神を含めて四名しかいない。
 そしてその議題の一つにFiVEの事が上がっていた。
「新興覚者組織?」
「はい。近畿を中心に活動する覚者組織です」
 上がってきた報告に七星剣の首魁、八神勇雄は問い返した。それを続きの催促と受け取った男はつ報告を続ける。
「総数や場所などは不明ですが、AAAの代行として妖や犯罪者覚者、武装一般人を取り締まる組織のようです。
 先日の滋賀にある工場襲撃を行ったのも彼らの模様。捨て置けない兵力を有していると――」
「それだけじゃない。暴力坂を止めたのもその連中だ」
 その報告を留め、八神は事実を追加した。証拠はない。だが状況からして間違いないだろう。
「……っ!? ご存知だったのですか」
「っていうか、それ知らないのこの中でアナタだけだから」
 驚きの声に割って入る女性の声。煙管に刻みタバコを詰め、火をつける。煙を見ながら女性は言葉をつづける。
「どうにもこれまでのパッと出の組織とは訳が違う。十分な数がそろうまで秘していたみたいね。
 ヘタに事を起こそうとしても予知されて、不意打ちを喰らうのがオチね。あらあらどうしましょう?」
 煙が会議室に広がっていく。その煙を見ながら微笑む女。
 その態度と沈黙に耐えかねた男が机を叩き、抗議する。
「気づいていたのなら何故そうなる前に潰そうとしなかったのだ、『花骨牌(はなかるた)』! 八神様の覇道の邪魔になると予測がついただろうに!」
「決まってるわ。その方が面白そうだからよ。『結界王』」
 煙管を吸いながら微笑む女性に、いきり立つ男。その睨み合いを止めたのは、しゃがれた老婆の笑い声だった。
「ふぇっふぇっふぇ。安寧な道を行くのが覇道ではない。歯向かう者に圧倒的な力を見せつけ従わせる。それが覇王じゃて」
「しかし――」
「『結界王』、お前の忠義はいつもありがたく思ってるぜ。だがこれは『金剛』の言う通りだ。
 相対するなら圧倒的な力をもってねじ伏せる。策を弄して倒しても納得はしない。くすぶった炎が再燃するだけだ」
 八神の言葉にしたり顔で頷く老婆。不承不承ながらに頷き沈黙する男。
「それでどうするかね、勇雄の坊ちゃん。早速探して出向いてやろうか?」
「いや、それには及ばん。しばらくは様子見だ」
 笑いながら問う老婆に、静止をかける八神。臆したか、という視線に腕を組んで答える。
「アレは逢魔ヶ時が欲している。手を出すなと約束してるからな。あれだけ啖呵を切ったんだ。ヤツが潰してくれるだろうよ」
「……仮に、ですが」
 言葉を選ぶように『結界王』が問う。逢魔ヶ時の実力は知っている。それでも【保険】は必要だ。
「逢魔ヶ時が潰せなかったときは、どうなさるおつもりで?」
 その問いに、笑みを浮かべて八神は答えた。

「そうだな。それだけの組織だ。七星の一角に加えてもいいだろうよ」

 沈黙が落ちる。だがそれはすぐに『花骨牌』と『金剛』と笑い声に埋め尽くされた。
「いいわねー。楽しそう。遊べそうな子がいたら頂戴ね」
「敵を飲みこむのも覇王の風格。それもまたありじゃな」
「ふざけないでください! ともあれ、その組織に対しては逢魔ヶ時に任せて監視を続ける方向で進めます! 次の議題ですが――」
 一人『結界王』のみが怒り、強引に場を納める。
(あながち冗談でもないんだがな)
 八神はその言葉を飲み込み、近くに会ったお茶を飲む。珍しく茶柱が立っていた。

 この国を我が手に納める為にやらなければならないことは多い。
 彼らの存在が自分の利となるか害となるか。八神はそれを想像し、自然と笑みを浮かべていた。