クリスマスSS 2016

 

「わわわっ。おちるー!」
「ごめん。ごめん」
 空の上でバランスを崩した浅葱 枢紋を、慌てて支えたのは如月・彩吹。
 二人はクリスマスの空中デートの真っ最中。
 足元には支えがなく、ふわふわとしている慣れない浮遊感に、枢紋はわたわたしている。
 枢紋の緊張をよそに、彩吹は星を散りばめたような夜景を満喫していた。
 雪がちらちらと降り始め、それが時折頬に当たるのも心地良い。
 
 枢紋が慣れてきた頃を見計らって。
「ほら。鳥になったみたいだよ」
 空いている方の手をパタパタ動かす彩吹。
 それを真似して、枢紋も片手をパタパタ。
「すごく飛んでる気分」
「ふふ。二人で大きな翼ができたね」
 雪雲の間から星が見え始め、地上のイルミネーションと繋がった。
「綺麗だ」
 そう言って微笑んだ彩吹に、「あの電波塔まで行く?」と枢紋が指差した。
「いいね。その次は、あの山の向こうだよ」 
「隣町のイルミネーションを見に行くのもいいなあ」

 もっともっと遠くへ。
 二人の目的地はどんどん先へ延びていく。
 クリスマスの空中デートはまだまだこれからだ。

 どこまで飛んでいこう?
 彩吹と枢紋はもう一度大きく手を広げた。
 二人一緒なら、きっとどこまでも飛んで行けるよ。

●発注キャラクター●
浅葱 枢紋
如月・彩吹

担当ST:mokona*
イラスト:櫻ゆうか