クリスマスSS 2016

 

 長く続いた前のめりなダンス・チューンが終わり、スローテンポな曲が流れ始めた。休憩を取っていた他の人たちも次々とダンスに加わって、大理石の床にステップを刻む足音が響く。
 鳴神 零(CL2000669)は体を震わせ、彼を意識しながら目を伏せた。黒く長いドレスの裾が、広いサロンをリードしていく諏訪 刀嗣(CL2000002)の長い脚にまとわりつく。
 ステップを踏む零は気の高ぶりから頬が熱くなっているのを感じた。二人の間にわずかに残るぎこちなさを、やさしく包み込むように柔らかく笑って刀嗣を見つめる。
「今日は誘ってくれてありがとうね。刀嗣くんには触れることもできるし、こうやって近くでおしゃべりもできるようになったね。いつでもキミのところに帰るよ」
 刀嗣は気恥ずかしさから零とまともに目を合わせることができず、形のいい耳につけられたピアスを見やった。
「当たり前だろ。お前は俺のモンなんだからな。勝手にどっかにいくなんざ許さねえからな」
 ぶっきらぼうに返された言葉。でも、その飾らない言葉が心と耳に心地よい。
 終わりの見えない戦いの日々。歪んだこの世界の中で、互いに少しずつ指を伸ばして距離を縮めてきた。そして今夜、こうして体を触れあわせて――。
 零は刀嗣の逞しい胸に頬を預けると、もう一度誓った。

 ――いつでもキミのところに帰るよ

●発注キャラクター●
諏訪 刀嗣
鳴神 零

担当ST:そうすけ
イラスト:那紀