2月某日

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 暴力坂乱暴、死す――
 七星剣の幹部が討たれたという事実は、覚者一般人問わず大きな波紋を呼んだ。
 力無き一般人は戦争の可能性が回避され安堵する。
 憤怒者は目の上のたんこぶが消えると同時に、ヒノマル陸軍打倒を為したFiVEを強く警戒する。
 七星剣以外の隔者は新たな勢力に怯え、その活動を自粛する。
 無論、FiVEを注視して敵愾心を燃やす者もいる。反応は様々だが、ヒノマル陸軍の崩壊はFiVEという組織を世間に強く認知させた。
 そして七星剣内部でも――

「幹部がそろうのも久しぶりね。剣呑剣呑」
 煙管を手にして一人の女性が笑う。吐き出した紫煙がゆらゆらと部屋を漂っていた。
「『花骨牌』、この部屋は禁煙だ」
「やあねぇ、『結界王』。七星の全幹部招集なんて珍しい事じゃない。野暮なことは言わないで」
「幹部全員、というわけではないがな。まさか乱暴の坊やが討たれるとはなぁ。ふぇっふぇっふぇ」
 小柄な老婆が笑う。百を超える暴力坂を坊や扱いし、その死を楽しそうに笑っていた。
「さぞ満足して逝ったんじゃろうて。羨ましい限りじゃ」
「笑い事ではありません『金剛』。幹部が一人撃たれたのですよ! これは由々しき事態――」
「解ってるよ。僕も暇じゃないんだ」
『結界王』を名乗る男の言葉を制したのは、『濃霧のユズル』と呼ばれた男だ。組織『黒霧』の仕事もあるのだから、手早く終わらせたい。
「死は救済だよ。彼も救われた。それでいいじゃないか」
 暴力坂の死を救いと言うのは『バスカヴィルの猟犬』と呼ばれる男だ。七星剣の命令で誰かを狩る猟犬。その槍から逃れられた者はいないと言われている。
「よくはありません。暴力坂が死亡し、ヒノマル陸軍との連絡はとれない状態になりました。七星剣の戦力が大きく下がった形なのです」
 ため息をつく『結界王』。
「加えて『紅蓮轟龍』は行方知れず。これを危機と言わずしてなんというか」
「焦るなよ『結界王』。色男が台無しだ」
 落胆する『結界王』を制したのは、七星剣の首魁である八神勇雄だ。欠けた席を見ながら、しかし焦った様子もなく言葉を続ける。
「じゃあ始めようか。皆の知っての通り、暴力坂がFiVEに討たれた。大往生だ。
 現場は色々混乱しているが、先ずはそれを統括しろ。腕はもげて痛いが頭はまだ無事だとな」
 八神の言葉は七星剣の状況を端的に語っていた。
 七星剣は八神をトップとして各組織に広がる系列の組織だ。軍隊のような縦社会ではなく、様々なグループによる横に広い形式。そのグループの中でも強い力を持つヒノマル陸軍が討たれはしたが、それで七星剣の屋台骨が崩れるわけではない。
「そしてヒノマル陸軍を討ったFiVEだが――そろそろ本腰を入れて遊んでやろうじゃないか」
 遊ぶ。
 この状況において、その言葉は敵意に等しい。口調が優しいのは、相手を子猫と侮っている虎の心境だ。
 集まった七星剣幹部たちは八神の意志を察する。

『誰がFiVEを壊滅させるか競争だ』

 闇の中、星が動き出す。
 

七星幹部:霧山・譲が動き始めています。
『【攫ワレ】暗殺の阻止を!』
『【攫ワレ】邪魔な覚者の迎撃を』
(ST:なちゅい