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 ――遂にこの時が来たのだと、猟犬は嗤った。
「円環をつかさどるもの……君を滅ぼすことで、生命の樹は蘇るのだと思っていいのかな」
「……愚かな。穢れた力を注ぎこみ、強引に流れを生み出そうとした所で、大樹が目覚めることなどない」
 紅の月光を受け、妖しい輝きを放つ槍――その切っ先が向けられた先には、不吉な斑に半身を侵食された巨大な白蛇が居る。
「完全に目覚めることは無くても、膨大な力の欠片は溢れる筈……だよね?」
 その傍に音も無く寄り添う黒犬を撫でながら、意味ありげに囁く彼の様子に、白き蛇は黄金の瞳をかっと見開いた。
「何をする気だ? 定命のひとの身では、そうそう扱えるものでは無いと言うのに――」
 ねえ、と楽しそうに夜空を仰いで、猟犬の名を持つ男は囁く。僕は化け物になりたいのだと、いつか誰かに語りかけたように。
 ――そして蛇は魔槍に貫かれ、おびただしい鮮血が大地を染め上げていく。

 ――暗闇の中でひらひらと、青白い光の粉を散らして蝶が舞う。踊るように何度か辺りを羽ばたいた後、幻想の蝶はふっと、差し伸べられた白い指先に止まって翅を休めた。
「これは一夜の夢。けれど心と心が混じり合う、確かな邂逅の刻よ」
 愛おしげに蝶へ語り掛ける少女の、白銀の髪が揺れて――『妖精の恋人』の名を持つ彼女はくすくすと、無邪気な微笑みを浮かべながら囁く。

「――さぁ、貴方の物語を聞かせて」


関連依頼:
『≪猟犬架刑≫霧迷宮のアルプトラオム』(ST:柚烏